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Platonic Love~14.

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14.





「はい」
チャンミンから手渡されたチケット
恋愛もんだった
座席は一番後ろのド真ん中
レイトショーって時間帯なのもあってお客さんもまばら
「10人いないね」
「そうだな」
一番後ろの列は俺とチャンミンしかいない
ド真ん中のカップルシートに座る人が多くて俺たちの周りには誰もいなかった
「ほんと貸切みたいだな」
「うん」
チャンミンは周りを再確認して笑っている
「なぁ…チャンミン」
「なに?」
俺はチャンミンから受け取ったチケットを見ながら話す
「俺さ…アクションとかホラーとかが好みと予想してたんだよ
だからこのタイトル見たとき意外だった」
チャンミンはニコッと微笑んでチケットを眺める
「いつもはホラー?」
チャンミンは首を左右に振る
「ホラーは苦手…実は恋愛映画もほぼ観ない」
「え!!」
俺は目を見開いてチャンミンをガン見する
「ユノ?」
「なに?」
チャンミンは俺をジッと見つめながら顔を近づけてくる
え…
「可愛い」
近付いたチャンミンの顔がスッと視界から消え耳元でそう囁くと再び俺を見つめる
「……」
チャンミンは俺を見つめたまま動かない
可愛いなんて言われ慣れてないからドギマギしてしまう
「俺…可愛い?」
素で聞いてる俺
「うん…可愛い」
チャンミンは俺を見つめながら囁き声で話す
俺が首を傾げるとチャンミンは笑った
「そんな仕草が可愛いんだよ…ギャップがたまんない」
それを言うならお前なんだけど…
「ほぼ観ない恋愛映画…ユノとなら観たいなって」
そう話しながら俺を見るチャンミンの瞳が暗闇でもキラキラしていて吸い込まれそうになる
「そっか」
「うん」
会話が途切れ無言で見つめ合ってたら
スクリーンから色んな映画の予告が流れ始めチャンミンはスクリーンの方を見始めた
俺もスクリーンを眺めることにする
アクション系やSF…サスペンス
色んな予告が流れてて…アニメでチャンミンはちょっとテンションが上がったようで俺の腕をつつく
「ねぇ…ユノはこのアニメ好き?」
「ん?…あぁ…好きだけど」
「一緒に観たい!!」
チャンミンは「断るな!!」って目力で俺をガン見する
「お……OK」
俺が笑いながら返事すると「約束だからね」とチャンミンは表情を緩めた
「そんな好きなんだ」
チャンミンがアニメ好きとは意外だった
「うん…映画化されたら観てるんだよね」
「実は俺…全巻持ってる」
「マジで!!」
おっきな声で叫んだチャンミンの口を俺は慌てて塞ぐ
「チャンミンっ!!」
チャンミンは俺に口を塞がれた状態で肩を震わせて笑っている
ゆっくり口から手を離すとチャンミンは茶目っ気たっぷりな表情をしながら
「ゴメン」
って小さく呟いた
「ビックリしただろ!!」
「だからゴメンってば」
まだ笑ってる…
お客は少ないとはいえマナーは守らないとな
「ユノ…今度貸してよ」
「そんな好きなのに持ってないのか?」
俺はふと疑問に思って聞いてみる
「彼女がさ…邪魔だって古本屋に売りに行っちゃって…」
「マジか!!」
今度は俺が叫んでしまってチャンミンに口を塞がれた
「ユノ!!」
小さな声で俺の名前を呼んだチャンミンと見つめ合い声を殺しながら二人肩を震わせて笑った
チャンミンの手が離れていく
「俺ら何やってんだよ」
「だよね」
可笑しくてクスクス笑う
「はぁ~…可笑しかった」
チャンミンはそう言うと呼吸を整えるように深呼吸する
「彼女とは価値観違うんだよね」
ちょっと伏し目がちになりながらポツリと呟く
「そうなんだ…面白いアニメなのにな」
「読み直すのが楽しみだったのに…」
チャンミンは小さな声でそう呟くと俺を見つめる
「ユノとは価値観きっと合うのに…」
「ん?」
小さな声過ぎて俺はなんて言ったのか分からなかった
チャンミンは「何でもない」と言って微笑むとスクリーンを指差した
お…本編が始まるようだ
本編が始まって俺たちは映画に集中する

佳境に入りスクリーンの二人が気持ちを通わせ愛し合う綺麗なシーン
二人の吐息が場内に響く
長さにしては数分ほどのシーンだったんだけどチラッとチャンミンを見てみると
チャンミンは泣いてた
大きな瞳からポロポロと静かに涙を流していた
美しい姿に俺は絶句する
自然とチャンミンの涙を親指で拭っていた俺
チャンミンが俺を見つめ…視線が絡む
「そんな顔するな…」
俺は声には出さず口だけ動かすと
チャンミンの頭を自分の肩に持たれさせてポンポンと頭を撫でてやる
チャンミンが何故あのシーンで涙したのか…分かったような気がする
なんか俺…身体が勝手に動いてた
チャンミンはやり切れない想いが溢れ出たんだろう…
そのまましばらく映画を観ていたら俺の手にチャンミンの手が添えられた
驚いた俺はチャンミンの方を見るとチャンミンは真っ直ぐスクリーンを観ていた
チャンミンの手が氷のように冷たくて…
こんなに冷たい手
俺は指を絡めてギュッとチャンミンの手を握った
チャンミンも指に力を入れギュッと握る
エンドロールまで俺たちは握り締めてた

場内が明るくなってお客が帰って行く
あれ…
「チャンミン?」
チャンミンは俺の肩にもたれながら眠っていた
チラチラ俺たちを見てクスクス笑いながら帰る客
そりゃそうだよな…
「チャンミン…終わったよ」
チャンミンの身体を軽く揺すると眠たそうな声を漏らしながらゆっくり瞼を開ける
ぼ~っとしたチャンミンと視線が合った
「終わったよ」
もう一度声をかけると恥ずかしそうに顔を赤らめた
「観たかった映画じゃなかったのか?」
俺は覗き込みながらチャンミンに聞く
「久し振りの恋愛映画だったのに…」
残念そうにしているチャンミンを見て微笑む
「良い映画だったよ」
「で…最後どうなった?」
「聞きたい?」
チャンミンをジッと見つめながら聞く
「もう観に来ないし聞きたいかな」
「わかった…取り敢えず劇場出てからにしよう」
俺とチャンミンは劇場から駐車場へと向かった

「どうなったの?」
チャンミンが助手席に乗ると真っ先に聞く
俺はそんなチャンミンが可愛く感じてジッと見つめた
「な…なに」
チャンミンは少し警戒した表情で俺を見つめる
「いや…楽しみにしてた映画を寝ちゃうなんてな~って」
「ほんとソレだよね」
チャンミンはそう言って笑った
「最後はね…男性が亡くなってしまうんだ」
チャンミンはジッと聞いている
「だけどあのシーンあっただろ?」
「ん?」
チャンミンは首を傾げる
「あの時に命は受け継がれたんだ」
チャンミンが俯いてしまった
様子がおかしい
「チャンミン?」
「ハッピーエンドではなかったんだね」
「まぁ…捉え方じゃないかな」
「僕は…愛した人といつまでも一緒に生きていきたい
子どもはさ…無償の愛じゃん
パートナーは血の繋がりない他人から始まるんだよ?」
「そうだな…」
「出会って…好きになって…愛し合って…ずっと一緒にいたいって」
涙目になるチャンミン
「チャンミン…」
チャンミンはフッと微笑み天井を見上げた
「僕には何もない」
そう言って俺を見つめた時に涙が頬を伝った
「なぁチャンミン」
「なに…」
「明後日まで大丈夫なんだよな?」
チャンミンはうんと頷く
「旅行行くから泊まりの準備しといて」
俺はチャンミンの涙を拭う
「思い出作りに行こう」
何処って考えてなかったけど俺はチャンミンを旅行に誘った






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