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Pitfall-46.

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46.






「お~…待たせたな」
チャンミンの上司が軽く手をあげながら部屋へ入ってきた
「お疲れ様です」
俺は立ち上がり会釈する
「ビールにしますか?」
「そうだな」
俺は店員にビールと烏龍茶を注文して一先ずオーダーを通しメニューを差し出す
「何にします?」
「そうだな~…刺身の盛り合わせと…揚げだし豆腐…ユノは好きなの注文して良いからな」
「有難うございます」
メニューを見ていたら襖が開き飲み物が届いた
店員に上司の注文する料理と一緒に適当にメニューを注文する
「かしこまりました」と言って店員は襖を閉めた
「とりあえず乾杯」
上司がジョッキを持ち上げ俺も烏龍茶のジョッキを持ち上げ乾杯した
「元気だったか?」
上司は俺をジッと見つめて様子を見ている
「一応元気ですよ」
俺は笑いながら答えた
前に飲んだ日から二ヶ月ほど経っていた
「あの…グッドニュースとバッドニュースって…」
俺がそう聞くと上司はビールをグビグビと飲み干しドンとジョッキをおろした
「そう急かすなよ~…お代わり頼んでからで良いか?」
「もちろんです」
俺は店員を呼んでビールを頼む
「どっちから聞きたい?」
俺を覗き込むようにしながら聞く上司
「じゃあグッドニュースから」
「OK」
上司が返事をしたと同時にビールと食べ物が届いた
テーブルに並べられた食べ物をつまみながら上司は話し始める
「チャンミンなんだけど…痩せ細ってたボディはほんの少しだけ戻ったらしい」
「はぁ…」
俺は苦笑いするだけ
「業績は緩やかではあるが良くなっている…流石チャンミンってとこだ」
「そうですね」
「即ち…チャンミンは実績を上げているので企画部から早期に戻ってくるよう上に言いやすくなった」
「え~…引き継げる人材がいないと無理なんじゃないです?」
「ユノ……痛いとこつくな」
上司は笑いながら俺を指さす
「それに…俺を忘れさせる為の異動みたいなもんだから直ぐには戻って来れないと思います」
俺の言葉に上司は両手をあげる
「白旗だ」
俺はそんな上司を見て笑う
「子どもは…」
俺の問いかけにちょっと間を開けて頷く上司
「今は子どもが出来たって情報は入っていない」
「そうですか」
俺は上司の話ぶりに少し引っかかったがそのまま流す
「ユノ?」
黙ってしまった俺に声をかける上司
「俺…子どもって好きなんです
チャンミンの子どもならきっと可愛いだろうな~って」
「そうだな…チャンミンの子どもは可愛いと思う」
上司はうんうんと頷きながら遠くを見ている
「何か複雑です……男でも産めたらいいのに…」
「それはつまりお前とチャンミンの子ども?」
「はい」
「突拍子もないこと言うな」
上司は笑っていたが再び遠くを見つめイメージ中の様子
少ししたら俺に視線を戻し目が合った
「きっと可愛いだろうけど…今の医学じゃ非現実的な話だな」
「ですよね~…」
二人で笑う
「もし産めるとしたらどっちが産むんだよ…ユノが産むか?」
俺が産む?
想像したこともなかった
「いや…チャンミンが…」
「マジかよ!!」と言って上司は吠えた
「あんな細いチャンミンが産めると思うか?」
上司はケラケラと笑っている
「チャンミンて我慢強いと思うんですよ…
鼻から西瓜…アイツなら痛みに耐えて産んでくれます」
俺がドヤ顔すると上司はまた笑った
「ユノの方が我慢強いと思うんだけどな~…」
「確かに俺は我慢強い方だとは思います…が…ちょっと想像してみて下さいよ…」
「ん?」
「俺の出産シーン…ミスマッチだと思いません?」
俺に言われて想像した上司は爆笑している
「確かにユノが出産してるシーンよりチャンミンの方がしっくりくるな」
「でしょ?」
俺はそう返事をする
「お前は隣で十字切って祈ってそうだよ」
「ほら…やっぱりチャンミンに頑張って貰わないと」
「出産したら抱かせてくれ」
「もちろんですよ」
二人で子どもネタでかなり盛り上がったが自然と静まり返る部屋
「そんな日がマジで来たらな…」
俺はポツリと呟く

「で…バッドニュースになるんだが…お前のその呟きの後で言いにくいんだが…」
上司は俺の様子を見ている
「大丈夫です」
俺がそう返事すると上司は頷いた
「あれだけ盛り上がってから話すのは忍びないんだが…」
「なんですか…言って下さい」
上司はふぅ~っと大きく息を吐くと俺を見つめた
「子どもだ…いよいよ奥さんが本腰を入れて子どもを望み始めたらしい」
「……」
「ユノ…」
表情が無くなっていくのが自分でも分かった
「バッドニュースがメインだったんですね…」
「悪かったユノ」
上司は頭を下げる
「今は子どもは出来ていないって流れから…奥さんは体外受精も視野に入れ始めたらしい」
「さっき盛り上がったのがアホらしく感じますね…」
「すまない!!」
再び上司は頭を下げる
「そんな…顔あげてください…」
上司は顔を上げて俺を見つめる
「自然な妊娠より上手くいくと判断したんじゃないかな…盛り上げといて申し訳ない」
「いえ……」
重い空気が部屋を包む
「彼女の判断は正しいです……自然な妊娠は無理だと思うから」
そう言ったきり俺は何も話さなくなった
「ユノ…お前には酷な話だがチャンミンはお前を忘れる為に…
奥さんの為に積極的に協力してるかも知れない」
「はい…」
「チャンミンがイタリアに行ったのはそういう事だろ?」
「……」
「子どもは時間の問題ってことだ」
俺にとどめを刺すには子どもが一番
現実になりつつあるんだ…
「腹をくくれ…俺にそう伝えたかったんですね…」
上司を見つめると困り顔で俺を見ていた
「お前の落胆する姿を見るのは辛いが
チャンミンとの未来はなくなる可能性大だと…覚悟しといた方がいい」
「直ぐには受け入れ難いな…」
俺は笑顔を作って話す
「気持ちはわかるよ」
そう言って上司はビールをグビグビと飲んだ
「お前も飲む?」
空になったジョッキを振りながら俺に聞く
「車なんで…」
「お前~…たまには電車で来いよ!!…飲みたい気分になっても飲めないじゃん」
上司は目を見開きながら俺に話す
「今度は電車できます」
「絶対だからな」
そう言うとガンガン飲み始めた上司
俺が飲めない分ひとりで飲みまくってベロンベロンに酔ってしまった
「上司さん…有難うございます」
俺はイビキかいて寝てしまった上司さんに頭を下げた
「すみません…タクシーお願いします」
俺は店員さんにタクシーを呼んでもらって上司さんをおぶって店の前で待つ
程なくしてタクシーが着き上司さんの住所を言ってドアを閉めタクシーを見送って
俺は店に戻り支払いを済ませると真っ直ぐ家へと帰った
家に戻ってから俺はチャンミンと一緒に飲んだワインボトルを開けて飲み始めた
「子ども作るんだな…」
俺はグラスに注いだワインを見つめながら一人呟く
グラスを持ってベランダへと向かい空を眺めチャンミンを想った
「もう会えないのか?」
優しく光る月に話しかける
「会いたいな…」
普段は直ぐ酔いが回るタイプなのになかなか酔えず
珍しくボトルを空にした

翌日上司さんからメールが入る
『昨日は悪かったな…気付いたら家で寝ててさ
起きたら嫁さんにこっ酷く怒られた(笑)
ユノもそうだと思うけどこれから年度末にかけて忙しいんだ
ちょっと飲みに行くのは難しいが…情報はどうする?…何かあれば欲しいか?』
何かあればって…
想像ついちゃうんですけど…
『お疲れ様です…上司さんめちゃくちゃ飲んでイビキ凄かったです(笑)
情報は…ケジメつける為にも頂きたいです
その時はご連絡下さい…宜しくお願いします』
俺は返信して仕事へ向かった



数か月後に上司さんから連絡が入った
訪れたケジメの日
俺はお前に会いに行くと決めた




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コメント

サクラミチー!(笑)

ぴったりの壁紙!ぴったりの2人!(笑)
ユノ~せつないよなーー
チャンミンが一番苦しいんだろうけどさ。
2人の子供……切望しちゃう?
今回はあっこの願望がそのまま形になってましたね(笑)

2016/09/28 (Wed) 08:14 | まろり~な #la5PUrQg | URL | 編集
姉さまへ

姉さま、こんばんは('ω')ノ
そうでしょう?
サクラミチ壁紙にピッタリでしょう?
でしょう?(笑)←しつこい?(笑)
姉さまの素敵な壁紙のおかげなり♡
二人の子供(笑)
切望も切望!
チャミが分娩室で頑張ってるシーン妄想したもん♡
陣痛は軽め
2618グラムの男の子をご出産です✨
こんな日来ますかね…
頭の中では来たんやけど(笑)
え?
もうそれぐらいにしとけって?
そうですね(;'∀')
失礼いたしました(汗)
姉さま
コメント下さりありがとうございましたm(__)m

2016/09/28 (Wed) 20:50 | あっこ・x・ #- | URL | 編集

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