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Pitfall-37.

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37.






詰めの作業に入り残業が続く
休日出勤もあったりでゆっくり話す事もできず日数だけが過ぎていった
明日は久々の休み
彼女も休みらしいから話ができる

話があると言っていた…
ずっと彼女の肌に触れることなく過ごした
彼女も僕に触れようとしない
仕事が大詰めなのを気にしてくれてなのか僕に興味がなくなったのか…
僕を求めてた彼女だった事もあって不気味にさえ感じた
もしかしたら他に素敵な人が出来たのかもしれない
彼女が幸せになるのなら僕に止める理由はない
全ての原因は僕にあるから…
僕も話をしよう
鞄の中にしまっていた物を取り出してポケットにしまう
僕は一つ大きく深呼吸をしてリビングへと向かった
「おはよう」
キッチンで朝食を準備している彼女に声を掛けると彼女は振り向き笑う
「おはようチャンミン」
直ぐに視線を外しサラダを作る
「もう少しで出来るから座ってて」
「うん」
僕はダイニングテーブルの椅子に座って彼女の様子を見ていた
いつも時間に追われ生活していたのもあるけど彼女は手際がとても良い
「お待たせ」
そう言ってテーブルに朝食を並べ始めたタイミングで僕はコーヒーを温めに行く
「ありがと」
全ての準備が整い僕たちは朝食を食べ始める
カチャカチャと食器の音がする程度で静かな朝食
僕はたまに新聞を読みながら食べる
「チャンミン…仕事はどぉ?」
彼女が話しかけてきた
「ここ最近の残業で遅れを取り戻した感じ」
「良かったじゃない」
「そうだね」
「チャンミンの後輩は育ってる?」
「え?」
「よくチャンミンとプレゼンする相棒くん」
「彼は僕よりしっかりしてるよ」
「じゃあ安心ね」
「……そうだね」
何でそんな事を聞くのか分からなくて彼女をジッと見つめる
「な~に?チャンミン」
「いや……」
「変なチャンミンね」
そう言って微笑みながら僕を見つめる
「あのさ…」
僕はポケットにしまっていた用紙をテーブルに置く
広げて見せると彼女はマジマジとその用紙を見つめた
「なんなの…」
「ごめん…」
用紙には僕の名前
「いつ書いたの…」
「少し前に」
彼女は用紙に触れようとはしない
「なに?今日はエイプリルフールでもないわよ」
「わかってる」
彼女は僕を見つめた
「理由が聞きたいわ」
「嫌いになった訳じゃないんだ…
病院にも通ったし努力はしたんだけど……」
「だけど?」
「抱けない自分がいつまでも一緒にいても明るい未来は待ってないんじゃないかって」
「だから離婚?私を不憫に思って?」
「こんな僕じゃ君を幸せにできない」
彼女は笑い出した
「チャンミン…本当に私を思ってなの?」
笑っていた彼女が一瞬真顔になった
「ふざけないでよ」
彼女は席を立ってテーブルのお皿を下げ洗い始めた
「熱いコーヒー用意するからソファで待ってて」
何事も無かったかのように立ち振る舞う彼女
きっと言いたい事は山ほどあるだろう
僕は言われた通りソファへと移動した


「はい…どうぞ」
いい香りのコーヒー
「バニラの匂いするでしょ」
「うん…」
僕の隣に彼女が座った
「チャンミン…そんな深く考えて思い詰めないで…
セックスだけが夫婦じゃないでしょう?」
「そうだけど…」
「前にも言ったわよね…
私は貴方を愛しているし…治るまで協力していく覚悟は出来ているの
私の事を心配してくれての事だと思うけど…それは大丈夫だから」
彼女は僕を諭すような口調で話す
「貴方を感じたくて誘ってしまうのは許して…」
「君がセックスしたい時に僕は応える事が出来ない……それが正直辛い」
「チャンミン…そう思ってくれるのは嬉しい
触れてくれたら私の心は満たされるわ
だから……私に触れて欲しい」
僕は返事が出来ないまま黙っていると彼女が口を開く
「大丈夫……私…解決方法を見つけたから」
解決?
僕にしか解決出来ない事を彼女は自信に満ちた表情で話し始めた
「チャンミン…私…移動願いを出してたの」
「移動願い…」
僕はハッとする
「そんなビックリ?」
「……」
「勘違いしないでね…離婚したくてじゃないから」
彼女はこれから話すことが嬉しいのか笑みを浮かべている
「考えてた事だったの」
「考えてたって…いつから」
彼女は少し天井を見上げながら考えている
「そうね~…私の背中を押したのは結婚かな~」
彼女はニコリと微笑んで僕を見つめる
「で…移動は決まったの?」
僕は平静を装って聞く
「うん…」
彼女は僕を真っ直ぐ見つめてこう言った
「イタリアなの…」

沈黙が流れる
「イタリア…」
「そう…イタリアよ」
彼女はコーヒーを一口飲んで僕の様子を見つめている
「海外だとは思わなかった?」
彼女は少し笑いながら話を続ける
「チャンミン…あなたの会社もイタリアに支社があったじゃない?」
「え?」
「イタリアに支社あったでしょ?」
「あるけど…」
「私の上司とチャンミンの上司…同級生なの知ってた?」
「そうだっけ…」
「知らないハズないと思うんだけどな」
彼女は首をひねりながら僕を見つめる
「ごめん…パッと思い出せないよ」
「あら」って顔をして驚いた表情をする
「…でね」
彼女は話を続ける
「私が移動願い出してる事…チャンミンの上司に話してくれたの」
え…
僕の表情で察しがついたんだろう
彼女はもう一度話す
「結婚したばかりだし二人が遠距離になるのも…って私の上司が話をしてくれたんだよね…」
まさか…
血の気が引くのと同時に心拍数が上がる
「チャンミンもイタリアに転勤よ」
嘘だろ…
時が止まったようだった
全く動かない僕の太ももをトントンと優しく叩く
「チャンミン…?」
僕は彼女の声に反応して彼女を見つめる
「冗談?」
「冗談だと思う?」
僕は動揺を隠せない
「上司はそんな話しなかったから」
「そりゃそうよ…チャンミンの上司さん冗談にしか受け止めてくれてなかったから」
彼女は半笑いながら続ける
「でね…仕方ないからもう少し上の人に話をしてくれてね
上司さんも知らないんじゃないかしら」
僕は信じられない気持ちで話を聞いていた
「私も同席してチャンミンのイタリア転勤のメリットを説明させて頂いたわ」
「なっ……なんで……僕たちの企画が動いてるんだ
そんな時期に転勤なんて出来るわけない」
「相棒くんに任せたら良いのよ」
彼女は動揺している僕の手を握る
「結婚が私を突き動かした…チャンミンが私を抱かなくなった時から…私は動き出したの」
ギュッと強く握られ僕はようやく彼女を見る
「チャンミン…なぜ私を抱けなくなったの!?」
「ごめん…抱けなくなって…」
彼女は首を振る
「あなたが私を嫌いになったなんて一つも感じないの…
身体だけ…身体が私を求めていない」
僕は彼女をただ見つめるだけ
「チャンミンが私を抱こうと頑張っていたのはわかってるし病院にも通ってくれてる…
何度も言うけど私への愛が無くなったとは思ってないの」
彼女は淡々と続ける
「私はね…ある人が原因なんじゃないかと思っているの」
ドキリと心臓が音を立てる

流れる沈黙…

「チャンミン…私とイタリアに行けばきっと元に戻るわ…」
彼女の顔が近付き僕の耳元で呪文のように囁く

「あなたは前のように私を抱ける」


「あなたとの子供が欲しいの…」
「子供…」
彼女はそう言うと僕の唇を塞いだ


ユノ…


頭の中は
ユノで一杯だった





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コメント

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2016/08/24 (Wed) 22:37 | # | | 編集
姉さまへ

姉さま、こんばんは´ω`)ノ
早速有難うございます(笑)
女子よ…凄腕をそんなとこで発揮すなよ!!
やんね~(笑)
チャミはチャミで努力してはみてんけど
身体が言う事ききませーん
ユノにガン見されたら男性でもオチマスの♡
イケイケドンドンなユノに萌える~←脳内で萌まくり中(笑)
ユノに会いに行こうぜー!!

鍵ね(笑)
あっこもすんなり覚えられな~い(笑)
入るのも億劫なるようなスペルですが
開けてご訪問下さり有難うございましたm(_ _)m
感動でございます(T-T)
姉さま
コメント下さり有難うございました✨

2016/08/24 (Wed) 22:54 | あっこ・x・ #- | URL | 編集

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