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Pitfall-36.

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36.






午後から出社した事もあって僕はせっせと残業している
「頑張るね~」
上司が僕の肩をポンと叩いてコーヒーを机に置いた
「すみません…有難うございます」
「ビールじゃなくて悪いな…俺はビールだけど」
上司の手にはビール
「え~…」
「旨いわ~」
そう言って笑う上司
「旨いでしょうね~」
「そろそろ終わりにして食べに行かないか?」
上司と行くいつもの店
「そうですね~…これ終わったら」
「よし!!…俺は呑みながらそんなお前を見守るとしよう」
飲みながらねぇ~
「手伝ってはくれないんですね」
「あったり前だ…お前の前半年休でこっちはバタバタだったんだからな!!」
うっ……それ言われたら言い返せない
「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「分かれば良いんだチャンミン…早く仕事終わらせてくれ」
「はい…」
あーだこーだ言う上司なんだけど僕とは馬が合う
今もこうして僕の仕事終わりを待ってくれる上司だし…
遅くなる前にご飯要らないって連絡しないと…
僕は彼女に上司と食べて帰ると連絡する為スマホを取り出した
LINEメッセージ受信を知らせるランプが光っている
確認してみるとユノだった
『飯でも食わない?』
全く気付かなかった
『仕事してて気づけませんでした…すみません…また今度』
僕はそう返信して彼女に電話しようとしていたらスマホが震えて着信を告げる
僕は出ようか迷ったけど取り敢えず出てみる
「もしもし……」
「俺だけど」
「はい…」
「飯これからだろ?」
「すみません…まだなんです…そして先約あるんで無理なんです」
「先約?誰だよ」
「上司と食べに行くんです」
「チャンミンの上司か……俺も行こっかな」
しばし沈黙する僕
「僕の上司と飲んでも楽しくないと思いますけど」
「俺は大丈夫」
何言ってんだろ
「僕が無理です」
「つれないな~…」
「また今度日を改めて…切りますよ」
「直ぐ近くまで来てるのに」
「すみません……じゃあ」
僕は電話を切ると彼女に電話した
「まだ仕事なんだけど終わったら上司と食べて帰るよ」
「良かった…私もさっき帰ってきて今日は大したご飯出来そうになかったの」
そう言って笑っている
「遅くなり過ぎないでね」
そう言って彼女は電話を切った
僕はキリの良いところまで済ませると上司が待っている場所へ向かった
「すみません…お待たせしちゃいました」
「ほんと待ったぞ」
アルコールで少し赤くなった顔で上司は笑いながら僕に突っ込む
「すみませんてば…」
僕と上司は行きつけのお店へ向かった


「お~…いらっしゃい!!」
「こんな時間だけど良い?」
「大丈夫…いつもの席空いてるからどうぞ」
僕と上司はいつもの小部屋に通される
「適当に持ってきてくれる?」
そう店員に話す上司
店員はかしこまりましたと言って部屋を閉めた
直ぐにビールが運ばれ僕と上司は乾杯する
「あぁ~…美味しい」
僕は一気に飲み干して声に出すと上司は笑った
「良い飲みっぷりだな~」
嬉しそうに空になったグラスにビールを注ぐ
飲んでいるとテーブルに置いてた僕のスマホが震えてカタカタと鳴る
ユノだ…
なかなか取ろうとしない僕に上司が不思議そうな顔をしている
「なんだ…マズい相手なのか?」
「そうじゃないですけど」
「俺に遠慮しないで取ってやれ」
僕は渋々電話に出る
「はい…」
「俺なにも食べてないんだけど」
「何か食べたら良いじゃないですか」
「お前と食べたかったんだって」
僕は上司には聞こえないように背を向けて話す
「今日は上司と食べるんで…さっき話したでしょ」
「俺も一緒に食べたい」
「はぁ?」
「上司さんに俺から話てみるから電話代わってよ」
「あんたバカか…今日は無理って言ってるでしょ!!…一人で好きな物食べて下さい!!」
思わず大きな声で話してしまった
「なんだ?喧嘩してんのか?」
気付けば上司は僕の真横にいて音漏れを聞こうと顔を近付けていた
「あの…僕の結婚式で来てた友達が一緒に食べたいって……
もう訳わかんない事言うから困っちゃって」
僕の話を聞いて上司は僕のスマホを取って話し始めた
「なんだ…近くにいるじゃないか…俺は構わないし食べに来るか?」
僕は上司をガン見して首を振る
店の場所を説明し終わったようで僕にスマホを返す
「来るって」
上司の言葉に僕は項垂れる
普通は遠慮するでしょ
「結婚式の時に途中から来たあの人だろ?」
「覚えてるんですか?」
上司はドヤ顔しながら僕に言う
「あんなスーツ似合う男前を忘れたりしないよ」
確かに似合ってたけど…

僕はドキドキしながら飲むことになった
全く休まらないじゃんか
「なんだチャンミン怖い顔して」
「何でもないですよ」
僕はジョッキに残ってたビールを飲み干してジョッキをドンと置いた
コンコンと音が聞こえ「お連れ様がお着きになりました」と店員の声
戸が開き僕はユノと目が合った
僕を少し見つめて微笑み上司へ挨拶をしている
「ご無理言ってすみませんでした」
「いやいや…君とはゆっくり話してみたかったんだよ」
嘘つけ!!
全然職種違うのに話す事なんてないじゃん
それが……
話す事ないどころか憮然とした表情な僕を他所に二人は盛り上がっている
どうやら好きなアーティストが一緒らしい
「一度で良いからライブ行きたかったです」
「だよなー!!」
そして二人で熱唱する始末
僕は蚊帳の外状態で黙々とビールを飲んでいた
「ごめんチャンミン…まさか好きなアーティストが一緒なんて思わなかったから嬉しくて」
ユノは目をキラキラさせながら話しかけてきた
「良かったじゃないですか…僕の事は気にしないでどうぞ盛り上がって下さい」
「そんな事言うなよ…」
僕の隣に座ってるユノの手が腰に回る
距離が近いって…
「チャンミンとユノ…お前ら男前だな~」
「有難うございます」
ユノは上司にそう言うと僕の顔を覗きこむ
「チャンミンの方がカッコイイ…」
マジマジと見つめられ僕はユノの顔を手で払う
「照れんなよ」
昨日の今日だよ…照れるって
「あ……この前さ…奥さんが会社に来てたよ」
上司の言葉に僕は上司をガン見する
「あれ?…家でそんな話出なかった?」
「ここんとこお互い忙しくて話せてないです」
「そっか…」
上司は少し黙り込む
「チャンミンの奥さん…やり手だったよな」
「そう言われてますよね」
「そうなんだ」
ユノは僕を見つめながら呟く
「うちの会社って奥さんとことよく仕事するじゃん?」
「まぁ…そうですね」
「また一緒に仕事するんじゃないか?」
「どうでしょうね…」
遅くまでPC開いて仕事してるのは共同企画とか考えてるのかな…
「俺たちの企画に乗ってきたんじゃないか?」
「いや~…どちらかと言うと彼女の企画にこっちが乗るって感じじゃないですか?」
「あ~…そうだろうな」
「一緒に仕事したいんじゃないか?」
「それはないですよ」
僕の返事に上司のグラスを持っていた手が止まる
「え…なんか不味かったですか?」
僕は上司とユノを交互に見る
「お前ら…ヤバいのか?」
上司の言葉にドキリとする
「何でですか…」
「ずっと居たくないか?」
「考えてみてくださいよ…奥さんと仕事でも一緒に居たいですか?」
逆に聞いてみる
上司はちょっと考えて「居たくないな!!」と笑って答えた
「仕事まで一緒はしんどいですよ」
「そうだけどさ…お前と奥さんは共同企画で知り合っただろ?」
「はい…」
「夫婦になってまた一緒に仕事するのも楽しいのかなって思ったんだよ」
「みんやがやりにくいですよ」
僕は笑って俯いた
ユノはどんな顔してるんだろう…
「チャンミンと奥さんて仕事がきっかけだったんですか」
ユノが上司に聞く
「そう…企画メンバーの代表が奥さんでね
奥さんはハツラツとした元気な人でさ…
チャンミンは人見知りあるんだけどいつの間にか恋愛関係になってて俺はビックリしたって」
上司は天井を見上げ当時を思い出しながら話す
「奥さんと信頼関係が生まれたんだろうな」
二人からの視線を浴びて僕は居心地が悪い
ユノの視線は明らかに変な色だったし
僕はチラっと時計を確認して上司に見せる
「おっと…結構な時間になっちまったな」
上司はグラスに残ってたビールを飲み干して上着を着始める
「チャンミン…終電間に合うか?」
「大丈夫です…有難うございます」
僕も上着を着ながら返事をする
「ユノ…今日は楽しかったよ!!…また飲もうな」
「僕も楽しかったです…ご無理言って飛び入り参加させて頂き有難うございました」
ユノは深々と頭を下げ上司と握手した
上司がタクシーを拾って帰って行くのを二人で見送った
「じゃあ…気をつけて」
僕はユノにそう言うと駅の方向に歩き始めた
「送るに決まってんだろ」
ユノは僕の腕を掴むと反対方向へ歩いていく
タイムズには見覚えのある車
駐車場代を支払い戻ってくるユノを車の傍で待っていた
「乗って…」
ユノが助手席のドアを開けエスコートする
「ユノ…」
ユノは少し微笑んで僕が乗り込んだと同時にドアを閉め運転席へと向かって歩いて行く
「強行突破して悪かったな」
「ほんとだよ」
ユノは少し笑って僕のマンションへと車を走らせた
徐々に近付く自分の家
道中はお互い話すこともなくとても静かだった
マンションの近くで車を停めたユノを僕は見つめる
「僕…ここで降りますね」
「チャンミン」
ユノが僕の名前を優しく呼ぶ
「会いたかった」
「昨日会ったじゃん」
僕はユノを見つめながら笑った
「そう…会ってセックスした」
ハンドルにもたれながら話すユノをガン見する
「なにチャンミン……」
「ストレートだね」
「キスしよ…」
僕の方に近付くユノを手で止める
「素直じゃないな」
ユノは僕の手をのけて優しくキスをした
「んっ…」
優しいキスから深く濃厚なキスへと変わる
いつまでもユノの唇に触れていたいと思ってしまう僕はユノにイカレてる
ハァ……ハァ
唇が離れ至近距離で見つめ合う
「バレなかった?」
僕の首筋を指でなぞりながら聞く
「わからない…だけど彼女は敏感だから」
ギュッと抱き締められる
「早く…お前を抱きたい」
蘇る昨日の情事
「ユノ…ごめん……これ以上彼女を裏切れない」
「チャンミンらしい反応だな」
ユノは僕の頭を優しく撫でる
「送ってくれてありがとう」
「またな」
車から降りるとユノはクラクションを軽く鳴らし帰って行く
僕は走り去る車を見送ってマンションへと歩き始めた




「ただいま」
真っ暗な玄関に小さな声で言う
ベッドルームに行くと彼女がパソコンを開いて仕事をしていた
僕に気付いて手を止める
「お帰り」
「ごめん…遅くなって」
「チャンミン明日は?」
「ん?」
「早く帰れそう?」
「どうかな…何か用事?」
「ちょっと話したいことがあるの」
「わかった…出来るだけ頑張ってみるよ」
「有難う」
彼女は僕をジッと見つめ満面の笑みを浮かべる
「シャワーしてくるよ」
ルームウェアを手に取りベッドルームから出ようとする僕に彼女が言った言葉
「チャンミン…最近私より綺麗で妬けちゃう」
僕は振り返ることなく部屋を出た




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