スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Lily-22.

u-love1.jpg
22.






「酷い……」
鏡を見て溜息をつく
昨夜…溢れる涙を止めることも出来ず夕食後も僕は泣いた
後悔の波が押し寄せる
真っ直ぐなチョン君に対して僕は嘘をついた形だから…
チョン君
僕の好きな人はキュヒョンじゃない
君なんです…

言えない…
僕はチョン君のように強くない
泣きじゃくる自分が硝子に映っている
「ふふっ…あははは……」
何て滑稽な…
余りにも馬鹿に思えて笑う始末
冷たい態度を取ってしまった罪悪感とチョン君と会うことがなくなった事実が僕を襲う
「腹くくってあんな風にしたんだろ…」
天井を見上げ一人呟きベッドへ寝そべる
素直になれば良いのになれない自分…
あぁ~…僕は馬鹿だ
泣き疲れたのかいつの間にか眠りに就いていた


気付いたら朝で重い身体を起こす
フラフラとリビングの方へ向かいそのままバスルームへ突き進み
洗面台の鏡に映った僕を見て今朝の第一声が出た
食べるのが大好きな僕だけど今朝の食欲はゼロ
「もう行かなきゃ」
弱々しく呟いて僕は鍵を持ってドアを開けた
泣き腫らした目に夏の日差しは余りにもキツい
「うぅっ……眩しすぎる…」
僕は自転車に跨るとペダルを漕ぎ走り始めた
店のドアを開けて開店準備をする
暫らく掃除をしていたらマスターのバイク音が聞こえてきた
鍵の音をシャラシャラと響かせながら店内に入ってくる
「おはようございます」
僕がマスターへ挨拶をするとマスターはヘルメットを脱ぎながら「おぅ」と言って手をあげた
そして僕を二度見した
ツカツカと僕の目の前まで来てマジマジと見つめられる
「お前…チャンミンだよな」
「はい…」
ジッと見つめるマスター
「珍しいね…今日は眼鏡?」
なんで眼鏡か知ってて敢えて聞くんだよな
「はい…」
マスターは小さく溜息をつきながら歩いて行く
「奥で冷やして来い」
「すみません」
言われた通り奥のソファで腫れが引くのを願いながら冷やし始めた
どれだけ冷やしていただろう
チラッと時計を見ると開店30分前
いつまでも冷やしてられない
ソファから立ち上がりフロアへと向かった
マスターが僕を見つめ軽く頷く
「だいぶマシになったな」
「ご迷惑をおかけしてすみません」
マスターはニヤリと微笑む
「お前…今日は残業決定…一日こき使ってやるからな」
そう言って笑っている
「わかりました」
「いや~…男前が台無しだな」
マスターはお湯を沸かしながら僕に話す
「眼鏡姿のチャンミンも良いんだけど~…泣き腫らした目じゃな~」
「……」
「店が終わったら飲むぞ」
返事をしないで僕はマスターを見つめる
「俺の言う事は絶対だ…酔い潰してやる」
そう言って僕の肩をパンと叩いてマスターは笑った

あっという間に開店の時間になっていつも通りの時間が流れ始める
常連客には眼鏡の事や少し腫れた目を弄られはしたけど
相変わらず今日もチョン君の話題は出てくるので謝る僕
一日入っただけで口々に残念そうに言われてるチョン君
やっぱり人を惹きつける子なんだな~って改めて感じた
「イケメンが二人いるカフェで宣伝したかったんですけどね」
マスターがカウンターのお客さんと話しているのが耳に入ってきた
「チャンミンさんがバイト始めた当初も若い子の溜まり場になってましたよね」
昔からのお客さんが僕に会釈しながら話す
「有難いことに今もチャンミン目当てで来るお客さん多数ですよ…
ただチャンミンはちょっと人見知りがあるから人当たりがね~」
マスターは僕を見て笑っている
「カウンターの中に入るのを好んでましたから…俺としてはフロアで笑ってて欲しかったんだけど
ま…今は何やらせても完璧な人材に成長しました」
マスターは僕の肩をポンポンと軽く叩く
「その点ユノさんは社交的な感じがしましたね…絶えず笑顔で接していらっしゃいました」
「でしょ?…非常に残念ですが理由あってあの日だけだったから」
僕を恨めしそうな表情で見つめる
「え?…何かあったんですか?」
お客さんがマスターに聞いている
「特には何も無いです…住まいがチャンミンの実家の方でね」
「チャンミンさんの実家は遠いんですか?」
お客さんが僕に話し掛けてきた
「はい…僕を訪ねて来たんです…直ぐ帰る予定だったんですが一日だけ体験でバイトを…」
僕の説明を聞くマスターの顔がニヤニヤとしている
「そうだったんですか…体験なら仕方ないですね」
「良い思い出になったんじゃないでしょうか」
僕はそう言ってその場を離れた
後でマスターに弄られるだろうな…
「すみませ~ん」
僕に向かって手を上げるお客さん
僕は軽く頷いてオーダーを取りに向かう
「お待たせいたしました」
「えっと…イチゴパフェ」
男性客は少し恥ずかしそうにイチゴパフェを注文する
「イチゴパフェですね…少々お待ちくださいませ」
オーダーを通してさっきのお客さんを見ると本を取り出して読み始めた
「……」
「チャンミン…イチゴパフェ」
マスターに声をかけられイチゴパフェを運ぶ
「お待たせいたしました…イチゴパフェです」
お客さんは本を読むのをやめてイチゴパフェを食べ始めた
「ユノはもっと美味しそうに食べてたな」
「そうですね…」
目を真ん丸させてホント美味しそうに食べてた
俯く僕にマスターは声をかける
「チャンミン…俯いてないでコーヒーお願い」
「はい」
カウンターに入ってコーヒーの準備を始めた
「あ~…涼しい!!」
学生の団体さんが来て賑やかになる店内
「いらっしゃいませ」
僕はコーヒーの準備をしながら声をかける
参考書やノートを出して会話を弾ませている
「受験生かな」
マスターが僕に話しかけてきた
「ですかね…」
「ユノも今頃勉強してんだろうなー…」
僕をチラ見しながら言うマスター
「そうですね…」
マスターは僕をジッと見つめるとニヤッと笑ってオーダーを取りに行った



「チャンミン…時間だし閉めてくれる?」
「わかりました」
クローズの看板を出して片付けを始めた
今日はマスターの宣言通りこき使われた
あっという間に時間が過ぎてった感じ
マスターはカウンターにお酒を並べる
「取り敢えずビールからいくか?」
「はい」
グラスに注がれ白い泡がたつ
「お疲れさん」
「お疲れ様でした」
グラスを傾け音を響かせる
グッと飲み干しマスターが僕に言う
「今日はお前を丸裸にするからな」
え……
ホントにされそうで怖いんですけど


関連記事
スポンサーサイト
Lily-23. | Home | Lily-21.

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/07/26 (Tue) 23:29 | # | | 編集
姉さまへ

姉さま、こんにちは´ω`)ノ

最後の最後に閃いた「丸裸」と言うワードでした(笑)
マスター!!
腕の見せ所やでー(笑)
頑張って頂きましょう♬
姉さま
コメント下さり有難うございましたm(_ _)m

2016/07/28 (Thu) 14:47 | あっこ・x・ #- | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。