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Lily-21.

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21.




「なんだ…昨日だけだったんだ」
ガッカリな表情で何人にもそう言われる
「すみません」
その度に僕は謝るばかり
「あれ?チャンミンさん寂しいとか?」
「え?」
お客さんが僕をマジマジと見つめながら言う
「元気ないですよ?」
「そんな事ないですよ…元気です」
お客さんに向かって微笑むとその場を離れた
「俺の計算が狂ったじゃん…売上げ倍増のハズだったのに…責任取れチャンミン」
カウンターに戻るとマスターが恨めしそうな表情で僕に話す
「元々チョン君がイレギュラーな感じでバイトしたんですから倍増も何もないじゃないですか」
「俺はユノをバイトで雇うと決めた日に皮算用したんだよ!!」
「責任取れって言われても…」
マスターは僕を舐めるように上から下まで見る
「なっ…なんですか」
「上半身裸に蝶ネクタイで接客するか」
「どんなカフェなんですか!!」
マスターは想像したのか爆笑している
「身体鍛えてんだから見せたいだろ?」
「別に見せたくありません」
「惚れた男にしか見せないってか…」
僕はマスターを睨みつける
「見せたかった相手は……」
「マスター……」
僕は被せ気味にマスターを呼ぶ
「お前……ユノのこと」
僕とマスターが見つめあっていると
「暑い~」
後ろからキュヒョンの声
「おはよ~チャンミナ」
後ろからキュヒョンが抱きついてくる
「帰ったんじゃなかったんだ」
キュヒョンからそれとなく離れながら話す
「何だよ…俺の抱擁を嫌がるのか?」
「そんなんじゃないけど…店内だし」
「店外ならガッツリして良いってことだな?」
キュヒョンは手を広げて僕に襲いかかるポーズ
「んなわけないでしょ…お断りだよ」
軽くあしらった僕をキュヒョンは目を見開いて見つめてくるのを笑顔で交わした
「で…どうしたの?」
僕はキュヒョンに聞く
「鍵を持ってきたんだよ」
キュヒョンは家の鍵を目の前に差し出した
「あ…ありがと」
キュヒョンから鍵を受け取ろうとする手を握られる
「なに……」
「な~…合鍵作ってくれよ」
ジッと僕を見つめながらキュヒョンは言う
「入り浸るからそれもお断り」
「チャンミナのケチ~」
僕の肩をぽんと叩かれて振り向くとマスター
「油売ってないで働けチャンミ~ン」
そう言うとマスターはキュヒョンを見つめた
「キュヒョン…お前ユノに嫉妬なんてするな」
マスターがキュヒョンに話す
「全てはあのユノって子の為ですって」
「良いように言いやがって」
キュヒョンは笑いながら店内を見渡す
「あれ?…いないじゃん」
「昨日…あれから帰ったんだって」
僕がキュヒョンに話すとキュヒョンは僕を抱きしめた
「俺…チャンミナを守ったぜ」
「く…苦しいから離れてキュヒョナ…」
キュヒョンはガッツポーズをしてカウンター席に座った
「チャンミナ……俺いつものアイスコーヒー」
「かしこまりました」
僕はキュヒョンのアイスコーヒーを作り始める
「ねぇ…あの子お前を諦めてくれたかな」
キュヒョンがそう僕に話しかけたけど僕は返事をしなかった
「チャンミナ~…聞いてんの?」
キュヒョンはもう一度僕に話しかける
「聞いてるよ」
「なぁ…どう思う?」
「そうなんじゃないかな…」
僕はグラスにコーヒーを注ぎながら答える
「そうって……諦めたってことだよな」
「うん…」
「一件落着だな」
キュヒョンは小声で呟いている
チョン君に邪魔なのかと聞かれ僕はうんと頷いたんだ
諦めて帰ったに決まってるじゃん
「もう良いでしょ…」
「なんだよ…拗ねてんの?」
僕の言い方が気になったのかキュヒョンが僕の顔を覗き込む
「そんな訳ないでしょ…」
僕はキュヒョンにアイスコーヒーを運ぶとフロアに出た
オーダーを取りに行ったら行ったらでチョン君の事を聞かれる
どこに居てもチョン君が付いて回ってくる…
これじゃ気分を変えたくても変えられないじゃん
どれだけ時間が経っても状況は変わらなかった
「ハァ……」
早く終わらないかな……
帰りたくて仕方ない
俯きながら小さくため息をついたその瞬間キュヒョンが僕に声を掛けた
「チャンミン…俺帰るわ」
「え…もう帰るの?」
「あの子居ないしね」
「そう…」
僕とキュヒョンはレジへと歩いていく
「マスター…ご馳走様でした…また来ます」
マスターは手を軽く上げて応えている
「じゃあなチャンミン…またゲームしようぜ」
「うん」
そう言ってキュヒョンは店を出て行った


「今日はユノが居なくて寂しい一日だったな~」
マスターが片付けをしながら僕に話しかける
「そうですか?…僕はちょっとしんどかったです」
「なんでだ?」
「オーダー取りに行く度にチョン君のこと説明してましたから…」
「なんだよ…お前じゃダメだって?…みんな贅沢だな」
マスターは笑う
「でもな…アイツはお前にはない魅力を持ってたし……お前はお前でアイツにはない魅力がある」
マスターは天井を見つめながら話している
「二人で一つ…そして完璧だったんだ…」
天井を見つめていたマスターの視線が僕を捉える
「それをお前は……」
マスターの表情が真剣になる
「お前は自分の気持ちを隠した……あんなに自分に真っ直ぐなユノを見てお前は何も感じない奴じゃない
男から見てもユノは魅力的だし男が惚れちまうモノを持っている
実際学校ではどうだった?
きっとユノの周りには友達が沢山いた筈だ
そんな奴なんだよ
魅力的だと思うのは何もお前だけじゃないってことだ……わかるか?
世間体とか教師と生徒の立場とか…お前はちょっと実習に行っただけだろ?
しかも教師になるつもりないだろ?
そんな奴がいつまでも教師と生徒を口実にするって……おかしいだろ」
「僕は……全てはチョン君の為と想って…」
そう言うのがやっとの僕
「お前…酷い顔してる」
マスターが僕をジッと見つめながら言う
「お前は振ったんじゃない…振られたんだ」
「……」
「お前のこと知らないとでも思ってるのか?」
「え…」
「俺を侮るなよチャンミン…お前は自滅したんだ」
何も言えない
僕もそう思ってたから
この感覚は振られた感覚そのもの
僕が何言ってもチョン君は真っ直ぐ僕を好きだと言ってくれると…
ずっと僕を求めてくれるんじゃないかと……
なんて嫌なヤツ…
あんな態度を取った僕はチョン君に見限られて当然だ
「お疲れ様でした……」
力なく挨拶をして僕は店を出た

「ただいま」
電気を付けて部屋へと入る
足を引きずるように自宅まで帰ってきた
一度は封印した…タイプだなと思ったチョン君への想い
あんなに真っ直ぐに来てくれたチョン君なのに…
チョン君みたいな子…そうそういないよね
「お腹空いた…何か食べよ」
材料をみるとパスタしか作れない
僕はパスタとサラダを作りテーブルへと並べた
「頂きます…」
ブワッと蘇る数日前の出来事
口いっぱいに頬張り目を真ん丸にして美味しいと言いながら僕を見つめる
口の端にソースを付けながら食べる仕草
«めちゃくちゃ旨いよ先生…»
もういない筈の声が耳に響く
ポロポロと頬を伝う涙
「ごめん……ごめんなさい」
どんな思いで帰って行ったんだろう
僕は涙を止めることが出来なかった




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Lily-22. | Home | ~七夕の星に願うこと~

コメント

No title

なるほど。
後悔先に立たずの巻ですね。

2016/11/15 (Tue) 07:52 | 723621mam #- | URL | 編集
723621mamさんへ

723621mamさん、こんにちは♬
PLANET~TVXQへようこそお越し下さいましたm(_ _)m
そう
その通りです~
意地張るとロクでもない結果を招くんやで~
ってチャミの肩をポンポンと叩くあっこでございました(笑)
723621mamさん
コメント下さり有難うございました(・∀・)

2016/11/15 (Tue) 13:09 | あっこ・x・ #cM0BZOPY | URL | 編集

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