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Lily-17.

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17.




「どうぞ…」
「お邪魔します」
結局チョン君は僕の家に来た
僕は五階建てのマンションでその五階に住んでいる
チョン君は脱いだ靴はそのままに物珍しそうにゆっくり見て回る
「チョン君…脱いだ靴は揃えてください」
「あ…ごめんなさーい」
リビングからチョン君の声
部屋へ向かうとチョン君は二人掛けのソファーに座ってキョロキョロとしていた
「殺風景な部屋でしょ」
「ん?…いや…綺麗に片付いてるな~って」
「恥ずかしいからあんまり見ないで下さい」
僕はジャケットを脱いで珈琲の準備をする
「チョン君…珈琲は好きじゃない?」
「カフェオレ系なら大丈夫」
意外と甘党なんだよな…
だってストロベリーパフェだもんな
目をまん丸とさせて食べてたチョン君を思い出して僕はクスクス笑った
「え?」
チョン君が目を丸くしながら僕を見るからまた可笑しくて
僕は笑いを抑えることが出来ず暫らく笑った
「何が可笑しいのか分からないよ先生」
チョン君はそう言いながら僕を見つめる
「ごめん…チョン君の目が可愛くてつい…」
あ……しまった
僕を見つめるチョン君が優しく微笑む
「ありがと」
「いえ…何かすみません…可愛いなんて表現使っちゃって」
「え?…嬉しいよ」
そ……そうですか
チョン君にジッと見つめられ恥ずかしくなった僕は俯く

カチャン

僕を救済するようにタイミング良くお湯が沸いてくれた
「あ…沸いたね」
僕はキッチンで珈琲とカフェオレを作り始める
で…
作り始めてからずっとなんだけど…
「あの…」
ソファに居るチョン君に声を掛ける
「なに?」
「視線感じまくるんだけど」
「だって…見てるから」
そうなんだけど
そう言われちゃったら何も言えないし作ることに専念する

「先生…何か手伝おっか」
「わっ!!」
てっきりソファに居るもんだと思ってたチョン君が隣に居たもんだから仰け反ってビビってしまった
そんな僕の反応を楽しそうに見ているチョン君
「ビックリしましたよ!!」
「見たらわかるよ」
クスクス笑っている
「手伝って貰うことは特に無いから座っていて下さい」
「そぉ?」
チョン君は僕の顔を覗き込んで視線を絡める
「あの……チョン君…もう僕は教師じゃないから先生じゃないよ」
「それも知ってる…でもチャンミンは俺の先生だった日があったんだから先生じゃん」
「そうだけど…」
「先生…あの日のこと……」
「チョン君…もう出来るから座ってください」
僕は被せ気味に座るように言う
そんな僕をジッと見つめるチョン君
「先生…」
「チョン君座って…」
チョン君はソファに座る
座ったのを確認して僕はカフェオレとコーヒーをトレーに乗せて持って行く
「どうぞ」
「ありがとう」
ソファに座っているチョン君にカフェオレを手渡す
「先生はホットなんだ」
「うん…夏でもホットだよ」
「なんか…大人だな」
チョン君はそう言うとストローで氷をクルクル回して音を鳴らす
あぁ~……珈琲の香りで癒される
暫く余韻に浸ってたいけどそんなゆっくりなんてしていられない
僕は時計を見て時間を確認した
「チョン君…色々聞きたいです」
「どうぞ」
チョン君は僕をジッと見つめる
「どうして僕の住んでるとこ分かったんです?」
「知りたい?」
「もちろんです…実家からはかなり距離ありますから」
「じゃあ…俺の隣に座って」
「え…」
チョン君はソファに座ってるけど僕は床に座っていた
もちろん敢えてです
「ここで良いです」
「じゃあ…教えない」
チョン君は意地悪な顔して笑った
僕はフゥっと一息ついて改めてチョン君に話し始める
「チョン君…家に帰らないと……まだ間に合うから駅まで送ります」
「ヤだよ…俺は明日からカフェでバイトするんだから」
「マスターには僕から言っておきますから…」
笑っていたチョン君から表情が無くなっていく
「帰らないって言ってるじゃん…」
「チョン君…」
チョン君は僕を見つめながら話す
「始めっから帰る予定になんかしてなかったし…」
「それはつまり…友達の家に行く予定だった?」
「友達じゃない 」
「親戚?」
チョン君は僕を見つめる
「先生…何言ってんの?」
チョン君は呆れ顔
「違うよ…何でそんな風に言うの?先生」
「……」
僕…みっともないって分かってるけど抵抗してみた
「言ったじゃん…めちゃくちゃ捜したって…」
ジッと見つめるその視線…僕にはヤバいからやめて欲しい
「僕の居場所分かったでしょ…ですから安心して帰って下さい…
僕はご両親が心配してるんじゃないかって…」
「さっきも言ったけど友達んとこ暫く行くって言って来てるし…」
今度は被せ気味にチョン君が僕に話す

「チョン君…僕はチョン君を泊められない」
「……」
チョン君は僕を見つめる
「駅まで送るから」
チョン君の腕を掴んで立ち上がらせるとチョン君が僕を抱きしめた
僕は離れようともがくけど全く歯が立たない
「先生…俺…スゲー捜したんだってば」
更にギュッと抱きしめてくる
「先生…あの日を忘れてないよね」
「……」
「俺は忘れてない…俺は先生と」
「チョン君」
「俺…先生に会いたくて」
「会ったら帰る予定だったでしょ?」
「帰る予定になんてしてなかった」
え…
でもチョン君…
ちょっと疑問があります
「にしてはたいした荷物持ってないし身軽すぎませんか…」
「財布あれば大丈夫」
は?
「着替えとかどうするつもりだったんです?」
「先生の借りるから大丈夫」
いやいや
サイズ合わないかもじゃん
「後でコンビニにでも買いに行くから」
僕の心を読んだのかチョン君はそう言って笑う
てかさ……
「ここに泊まるのはマズイです」
「もう…教師と生徒じゃないから大丈夫」
チョン君の腕にギュッと力が入る
「チャンミン…」
うぅっ……チョン君の甘い声での「チャンミン」は破壊力ある
「会いたかった…」
更にギュッと抱きしめられ僕は戸惑う
「お願い…泊めて」
囁くような小さな声で耳元で話す
「チョン君…」
「ユノって呼んで…」
少し身体を離し僕を見つめ視線を絡ませてくる
「泊めてよチャンミン……俺に野宿しろって言うの?」
こんな魅力的で可愛い子に野宿はマズい
「チョン君…ズルい」
僕は小さく呟く
「ごめん…チャンミン」
そう言うチョン君の表情が可愛くて
「今日だけ…今日だけですから」
結局僕は負ける
「ありがとチャンミン」
ニコリと微笑むチョン君
野宿だと襲われ兼ねないし仕方ない
「同棲だね」
チョン君は嬉しそうに僕を見つめながらそう言った
「今日だけですからね…」
「はいはい」
チョン君……その返事聞いてるように感じないですけど

はぁ……
まさかチョン君が来るなんて思ってもなかった
夏休みって人を大胆にさせるよね…
久しぶりに会ったチョン君だけどあの時と変わらず真っ直ぐな瞳だった





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