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Lily-16.

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16.







あれから僕は下宿先に戻り無事に前期試験を終え
長い長い夏休みに突入していた
今日はバイト
カフェでバイトしている
「チャンミンは接客丁寧で評判良いし…店も賑わってありがたい!!」
マスターはいつもそう言ってくれます
今日もお客さん沢山で大忙し
休憩に入れたのはちょうどティータイムぐらいだった
今日は天気も良いし
店の向かいにある公園でお昼を食べる事にした
「あぁ~…気持ちいい」
大きく伸びをしてベンチに座る
ランチバッグを開けるとマスター特製のサンドイッチが姿を現した
「美味しそう…」
アボカドとえびのジェノバ風サンドイッチと
ポテトサラダのサンドイッチ
あとサラダと珈琲
「頂きます」
ベンチに座って隣にサンドイッチを並べ
僕は木漏れ日を浴びながら口いっぱいに頬張る

あぁ~…幸せ
珈琲最高…
もちろんマスター特製のサンドもね
満腹になった僕
朝から動きっぱなしだった事もあって僕はウトウトとし始める
ポカポカと暖かい日差しがとどめを刺す
「少しだけ……」
僕は睡魔の波にのまれ目を閉じた



「こんな所で寝ちゃって…」


ん?
デジャブ?
この心地良い声…
聞いたことある…

カタン…

隣に誰か座ったのを感じ僕はゆっくりと目を開けた
目の前にはかつての教え子…
時間の経過と共に想い出として胸にしまっていたあの日々
僕は固まって動けない
ジッと僕を見つめるその視線を外すことが出来ない

「なんで……いるの」

僕の投げかけには応えないで僕が広げていた珈琲やバケットを片付ける
片付け終わると僕の隣に座り僕をジッと見つめた

「めちゃくちゃ捜した…」
心臓がドキドキと音を立てる
胸にしまっていた想い出の日々が蘇る
僕は立ち上がってその場を離れようと荷物を持った
そんな僕の腕をチョン君は掴む
「会いたかった…先生」

先生……

「チョン君…先生なんて呼ばないで下さい」
「じゃあ…なんて呼んだら良い?」
熱の篭った視線でジッと見つめられる
「会うことはないから…僕を呼ぶ事はないです」
「そんな事できない…」
チョン君の真剣な眼差しに僕は逸らすことも出来ず
ただただこの状況を信じられない気持ちで立っていた


!!!!


「チョン君!!今何時です?」
「え…」
時計を確認して
「もうすぐ16時です」
「すみません…僕バイト中なんで帰ります」
僕は荷物を持ってベンチを立った
「俺…待ってる」
「は?僕はまだ仕事あるんで帰って下さい」
「やだよ」
チョン君は譲らない
「お願いします…チョン君…気を付けて帰って下さいね」
「先生…また会ってくれるって約束してよ」
「そんな約束できないです」
「じゃあ俺…待ってる」
ダメだ…
ゆっくり諭す時間もない
「とにかく帰らないとダメですよ…僕…遅刻気味なんで戻りますから」
僕はチョン君にそう声を掛けてカフェへと戻った

勢い良く裏口を開けて店内へと入る
「マスター!!すみません…遅くなりました」
僕はエプロンをしながらマスターに謝った
「朝から忙しかったからな…気にすんな…悪いけど今日は18時まで頑張ってくれ」
マスターはそう言ってオーダーされたメニューを作り始めた
「わかりました」
僕も仕事に取り掛かる

しばらく仕事に集中していた僕は風が入ってきたのを感じ店の入口に目をやった
「いらっしゃいませ」
マスターの声にお客が来た事を教えてくれる
僕は足早に扉へと向かう
スラリとした青年が一人立っていた
僕を見てニコリと微笑み
「へ~…めっちゃ似合ってる」
マジマジと僕を見てそう言った
「チャンミン!!なに突っ立ってんだ?案内して…」
突っ立ったまんまの僕にマスターの声
ハッと我に返り
「ご案内致します…こちらどうぞ」
陽あたりの良い席を案内し座るよう促した

「ここで待ってるから…」
「ご注文お決まりになりましたらお呼びください」
僕はチョン君の言葉を無視して話す
「もう決まってるんで」
そう言って僕をジッと見つめる
「ストロベリーパフェ」

ん?

「なんて?」
僕は聞き直す
「ストロベリーパフェ…」

ヤバい…
可愛すぎる

「かしこまりました…」
僕はオーダーを通しに戻る
「オーダー入ります…ストロベリーパフェ1つ…」


厨房からチョン君を見る
僕の視線に気付いたのかコチラを向いて手を振り
鞄から本を取り出して読み始めた
「知り合い?」
マスターがチョン君を見ながら聞いてきた
「はい」
「男前だな」
「そうですね」
本読んでる姿…凄く絵になってる
「なるほど…いいねぇ~」
マスターは一人でブツブツ言いながらストロベリーパフェを作り始めた

「お待たせ致しました」
本を読んでいたチョン君は僕の声に気付いて視線を本から僕へ移した
「ありがとうございます」
目の前に置かれたストロベリーパフェに釘付けに
なったチョン君…
目をキラキラと輝かせて「美味しそう!!」と呟き口に運ぶ
ビックリした表情で僕を見て「うまいー!!」と叫んだ

可愛い…
あ……
ダメダメ

でもチョン君を見てるとこちらまで笑顔になる
周りの空気を和ます事のできる子…
天性だな
「ごゆっくり」
そう声をかけると
「そのつもりだから…」
なんて意味深な返事の仕方をするんですか
ちょっと落ち着いた声色で言ったチョン君は僕を見つめた
そんなチョン君にドキッとする
その声…
僕は結構好きなんです
店内はピークが過ぎて少し落ち着いてきた
厨房に戻ると
「チャンミン…ちょっと厨房よろしくな」
そう言ってマスターはフロアに出て行った
僕はオーダーを見ながら珈琲を準備する

いい香り…
香りを楽しんでいたらマスターが帰ってきた

!!!!

「短期で雇うことにした」
「宜しくお願いします…」


「チャンミン…」


いきなりチャンミンですか…
「宜しく…チョン君」
「ユノでいいです」
「そうですか…」
なんて展開…
「チャンミン…今日はもういいぞ…待ってくれてたんだって?」
「いえ…約束してた訳じゃないんで」
ジロっとチョン君をみる
チョン君は微笑んでるだけ
「まぁ~…硬い事言うな…久しぶりに会えたんだろ?
今日はゆっくり再会を楽しんで!!」
「はぁ…」
マスターはこうと決めたら変わらない性格なんで
僕はあがる事にした
「マスター…今日はすみません…お先に失礼します」
洗いものをしていたマスターに声を掛けた
「チャンミンお疲れ様…ユノ…明日から頼むな
チャンミン…色々と教えてやってくれ」
「…お疲れ様でした」
僕とチョン君
一緒に店を出て歩き出した

歩きながらふと思う…
バイトするって言ったけど…どう通うわけ?
「しばらく泊めてね…チャンミン」
僕の声…聞こえた?
歩きながらだと話しにくい…
「チョン君…どっか店に入ろうか」
チョン君に話し掛けると
「家で話したい…」
え…
「早く帰ろ……チャンミン」

いやいや……
ダメだってば




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